不思議なこと 旅するメモ

巨人に出会う[鹿児島・霧島神宮]


天孫降臨の地を訪問

霧島神宮

鹿児島の霧島神宮と言えば、天孫降臨の地として名高い場所に建つ由緒ある神社だ。
九州に住んでいれば、旅行の一環として必ず訪れるであろう観光名所の一つでもあり、いわゆるパワースポットしても有名だ。

霧島観光

神社を訪れたのは多分3回目くらい。
8名ほどの仲間たちとの温泉旅行で、厄払いのお祝いもかねての旅行だった。
社殿の保全と称しての募金があったので、個人的に奉賛金として2,000円も納めてみた。

山岩に面したお社の板の間の本殿に、対面に座り、右手にお社、正面に友人たち(半数)を見ながらの祈願が始まった。

途中から、激しい眠気に襲われた。もうどうしようかと思うくらい…。
薄目を開けてみればみんなも実に眠たそうである。
とうとうと祈願の祝詞(のりと)が読み上げられている真っ最中のことである。


わらじを履いた大きな足がドーン!

ドドド-ン! 大きく社殿が揺れた。

「何、地震?」
正座をしている身体を支えるために、私は床に両手をついた。
はっと、目を見開いてみんなを見ると、
なんと、揺れて大慌てをしているのは私だけである。
みんな実に幸せそうに眼を閉じて、うつらうつらとお参りをしているではないか。
私のところだけ、地面が揺れている!?

畳みかけるように、ドドド-ン!
大きなわらじを履いた素足がお社から飛び出て、目の前に足が降ろされ、歩いて行った。

日本の神様

足のサイズは、2メートルほど。
白くはためく足の裾は、まるで、ニニギノミコトかスサノオか。。。
裾は、白い布か縄のようなものでしぼってある、いつかどこかで見たあの神様スタイルだ。
今思えば、質実剛健な神様の服装。。。素材の雰囲気まで覚えている。私が絵が上手なら描けるほどに。
(イラストみたいな服だった)

私の様子を見ていたKくん

爆音をとどろかせながら、足だけを見せて私の前を歩いて去った神様。。。
何だあれは???

霧島神宮の参道を歩きながら、私の向かいに座っていたKくんが話しかけてくる。
彼は相撲にも関係のあるバリバリ神道の人だ。

「眠そうだったよね。あまりに眠そうだったから、神様に憑かれてるのかと思ったよ」
「うん、すごく眠くなってね。それですごいもの見ちゃったんだ」と私。
「そうか。キミが奉賛金とかも奉納してたでしょう。きっと喜ばれたんだよ」とKくん。

Kくんはにっこり笑って、それ以上聞かなかった。

「弥五郎どん」という巨人伝説

後日談がある。

巨人の足を見てから10年ほど経ったある時、マスコミの方々とのパーティの最中だった。

南日本新聞の方と名刺を交わした時、あの時の不思議な体験を思い切って話してみた。
その記者さんは、じっと私を見つめて、こう口を開いた。

「宮崎・鹿児島の霧島あたりの神社を結んで、『弥五郎どん』という巨人伝説があるんですよ」
「そうです。そうです。確かに巨人」と私は、大きくうなずいた。
記者さんは「はっきりとは言えないけれど、伝説があるのは確かなので、関係がないとは言えませんよね」と。

巨人の姿にカタチを借りた彼を、古(いにしえ)の人は、弥五郎どんと呼んだのか。

何か、穀物的な豊穣の香りがするような土着の神様の姿。
たくましい素足に、履いたわらじの風情。。。
見た途端に、「古事記とかで見たような服って、本当にあったんだと思った」と思った私。

そう、またいつか、
のんびりと、霧島神宮を散歩してみたいと思ってる。

おすすめの本などの紹介

▼九州って、天孫降臨ににちなんだ場所がいっぱい。ぜひ、旅をしてみませんか。

▼温泉地なので、水も魅力的!

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miki

○早大で演劇活動のかたわら学生ライターとして活動。帰福後、武田鉄矢の兄の広告代理店に勤務。営業力とノウハウを磨き、ライターとして起業。
○企画からの依頼が多く、編集・取材で手掛けた冊子は1000冊超。付随するイベントも多数。文章化する力、販売促進プランを軸にした企画、コミュニケーションでつながることが強みです。
○文章づくり、書くことは、極める厳しさもありますが、企画やWebの世界は果てしなく広がる感じ。地道に積み重ねてきたサイトのご相談も増えています。

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